ドキュメンタリー映画
「The True Cost」(邦題:「ザ・トゥルー・コスト ファストファッション 真の代償」)
ラナプラザ崩壊事故をニュースで見た際今のファッション業界の裏側にある不都合な事実を知り衝撃を受けたディレクター、アンドリュー・モーガン。
ファッションやデザインのバックグラウンドを持たない彼はただこれはおかしい、狂った社会の一面だ、と自分がこの事実に気付いていなかったことにショックを受け、まだ気づいていないたくさんの人たちのために作られた映画。
彼はインタビューで言う。
「罪悪感や重い気分を抱いてもらうための作品ではない」と。「見つめたことのない世界への招待状なのです。あなたも服を買うだけでその一部であるから」と。
とてもよくできたドキュメンタリーです。
膨らみ続ける物質主義により今のファッション業界がどう変化したか、グローバリズムの恩恵を受けた国際企業が労働力を確保している服の作り手たちの状況、原材料コットンやレザーを作り加工する現場での状況、環境や資源への影響、消費する先進国の私たちの中に起きている心理的問題、経済システムへの疑問の重要性、経済発展のためにほかに選択肢のない労働者個人や国としての状況、彼らに仕事を作り正しいかたちで循環させるフェアトレードブランドの活動、、。きちんと網羅され整理して作られています。
「人々は物質主義にとらわれるほどに、金、印象、地位、持ち物に価値を見出すのです。
幸福感が薄いほどより欝々と不安になります。
こうした心理的な問題は物質主義的価値観が進むほどに大きくなります。」
ノックス大学心理学教授 ティム・カッサー博士
「資本はお金に過ぎないと理解すべきです。
お金は手段です。その使い方に責任を持つべきです。」
哲学者、環境活動家 ヴァンダナ・シヴァ
「私たちはモノを消費することで幸せを求め続けるのか?このシステムに満足するのか?
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私たちが直面しているすべての難題の中で大きすぎて手に負えないと感じている問題も
まずは衣服から取り組みを始められるかもしれない」
ディレクター アンドリュー・モーガン
「見つめたことのない世界への招待状」。
彼はとても素晴らしい招待状を作りました。今も世界各地で上映されこの事実への気づきと理解を広げています。
わたしにとっては、A Scenery Beyond..が「見つめたことのない世界への招待状」です。気付きとアクションをつないでいけるよう、、、。
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